「みよし地域しごと対策協議会」が主催する出前授業を次の通り実施しましたので、ご報告します。
1.日 時
・令和4年1月26日(水)
・①13:25~14:05 講演 (株)山全 経営企画室長 猪森淳氏
14:05~14:15 質疑応答 同 上
②14:25~15:05 講演 (社福)池田博愛会
法人本部事務局 副部長 岡千賀子氏
特別養護老人ホーム 永楽荘 主任 大西敏之氏
15:05~15:15 質疑応答 同 上
2.場 所
池田高校 三好校 セミナーハウス 大研修室
3.テーマ
「企業として必要な人材」若しくは「高校時代に身に付けておいて欲しいこと」
4.参加者
生徒(第2学年:全員):33名 教諭:3名
事務局(三好市商工会:丸岡事務局長, 阿波池田商工会議所:、記帳専門員、竹内経営指導員)3名 合計39名
5.内 容
1 講 演 (株)山全 経営企画室長 猪森淳氏
(1) 会社紹介
・(株)山全の経営コンセプトは「自然とのバランスを保ち未来へ夢を育む」。
・本社は三好市池田町白地にある。従業員は70名。業種は総合建設業。
・3年連続で国交省四国地方整備局の工事成績優良企業認定(年度間、四国地方整備局発注工事の平均点が四国1位)。県内建設業でも規模はトップクラスである。
・施工実績は一般土木、建築もあるが、特殊工事(土砂崩れ復旧、防止工事)が主要部門。
・i-Constructionを積極的に取り入れており、ICTの取り組みとして、(測量の高技術化)ドローン、3Dスキャナーの活用を行っている。また(掘削の自動化)マシンコントロールなども推進し、時間、コスト縮減など、従業員の働きがい向上や将来の担い手確保につなげている。
・新技術開発も積極的に推進している。例えば、「ピカコン」。これはコンクリート打ちの気泡除去により見た目、強度が向上するもので、全国で使われている。また、「らくーだハウス」は地元産の杉間伐材を利用したログハウスで、CO2を固定化する効果がある。環境に配慮した商品で、多用途で活用されている。これらの商品開発は工事現場に従事する従業員からの発案を拾い上げて商品化している。
・弊社は高い福利厚生を実現している。年2回の社内旅行や資格取得費用を会社が全額負担したり、通勤用に社用車を貸与し燃料代も会社が負担する。
・「くるみん(子育てサポート企業)認定」や「健康経営優良法人認定」なども受けている。
・R3年10月に自社でSDG’s宣言を行った。工事現場単位でのカーボンオフセットやICTを取り入れたキャリア教育学習などに取り組み、環境対策や地域貢献、仕事と家庭の両立支援など、様々な観点から持続可能な社会づくりに貢献している。
・このほか各種の表彰を多数受けている。
(2) 企業にとって必要な人材とは
・ポジティブな方、人間関係を大切にする方、ものづくりに興味がある方。と思う。
(3) 高校時代に身につけるべきこと
・自身の経験を話すと、野球一途に学生生活を送り、大学卒業後11年間地元金融機関に在職した。管理職で転機を迎え、現在の会社に転職した。どこでどんな業種、会社に出会い、勤めることになるか分からない。そこで、学生のうちから色々な業種に興味を持ち、自分の住んでいる地域を支えている仕事を可能な限り見て、体験してほしい。
(4)【質疑応答】
質問:建設業の専門知識のない未経験者でも就業可能か。
回答:A大歓迎。昨年の中途採用者は様々な職種から転職。施工管理、重機運転などの資格取得は会社が費用を出してくれる。やる気さえあれば大丈夫。
質問:高校生の今から身に着けておいてほしいことは何か。
回答:A社会に出れば必要なことは礼儀作法。あいさつ、ごみ拾い、周りに気を配る、人の気持ちが分かるなど。普段から身に着ける。付け焼刃でない行動ができるようになると良い。
2 講 演(社福)池田博愛会 法人本部事務局 副部長 岡千賀子氏
【池田博愛会のご紹介】
・池田博愛会は、昭和38年3月設立で、従業員は560名です。
・本日の生徒さんの中で、博愛会のマスコットキャラクター「ハット君」を知っている生徒さんが約半数ということで、もっと知っていただけるように地域に愛される活動を推進していきたいです。コロナ禍以前は、「博愛まつり」に際して、三好校の生徒さんに「ハット君」の着ぐるみを着てもらって、協力してもらったこともありました。
・私たちは、「人の尊厳に立ち、地域を大切に、地域に愛され、地域に信頼される法人を目指します。」を基本理念として、障害者と高齢者の福祉事業を展開しています。
・また、「法人の日」を定めて、毎月1日は「家族の日」、毎月8日は「挨拶の日」「笑顔の日」毎年3月15日を創立記念日として、家族や仲間に対して、感謝や思いやりの気持ち持ち続ける活動も積極的に推進しています。
・その他、人材育成にも積極的に取り組んでおり、職員への交通安全講習や人権研修、資格取得のための費用の一部を補助する制度やキャリアパス制度もあります。そして、正規職員には、人事考課制度があります。上司や先輩から仕事を教わりながら、小さな目標から達成していこうというというもので、頑張って結果を出したら、それに見合う評価もしてくれて、次のステップに挑戦する意欲が生まれるというものです。・事業概要は次の通り説明がなされた。
① 障害者支援総合センター(児童事業部) 池田学園、すぎのこ、どんぐり
② 障害者支援総合センター(成人事業部) 箸蔵山荘、セルプ箸蔵、グループホームはくあい、地域生活支援拠点施設あおぞら
③ 高齢者ケア総合センター(施設事業部) 永楽荘、長生園、ケアハウス宝珠、小規模多機能ホーム弥生、敬寿荘ほか
④ 高齢者ケア総合センター(在宅事業部) デイサービスセンター月、星 在宅介護支援センターほか
・本日の生徒さんの中で、地域交流拠点施設「箸蔵とことん」を知っている生徒さんが約8割いらっしゃることを嬉しく思います。産直市で地元のお野菜を販売したり、博愛会のパンも販売したり、子供の遊び場や飲食スペース、イベントスペースもあり、音楽ライブで参加してくれた三好校の生徒さんもいらっしゃいます。職員向けの保育施設あいあいも整備されていますので、子育てをしながら働きたい人は、3歳になるまでお子さんを預かることがでます。教育訓練プログラムも充実していますので、中途採用も歓迎です。国家資格の取得に際しての費用助成制度や非常勤から登用試験を経て正規社員になることもできます。
・就職先を選ぶ際には、祝祭日はもちろんのこと週休2日制で、年間休日が123日あることは、大きなメリットだと思います。
講演(社福)池田博愛会 養護老人ホーム 永楽荘 主任 大西敏之氏
【社会人として大切なこと】
・私は大学を卒業後、縁があって博愛会に努めることとなり、今年の4月で10年目を迎えます。永楽荘では、介護士、看護師、支援員、ケアマネージャー、相談員などが協力して、高齢者の方のケアを行っています。
・就職すると目上の人と接する機会が多くなります。そんな中で信頼関係を築き、良質な職場環境を得るためには、社会人として次の5つのルールを身に付けてほしいです。
- はきはきした挨拶
- 正しい言葉遣い
- 時間を守る
- ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を怠らない
- 体調管理をする
・その他に働く上で大切にしてほしいことは、次の3つです。
- リラックスできる時間を持つこと →プライベートで遊んだり、趣味を楽しんだりすることで、ONとOFFの切り替えやモチベーションの維持、息抜きや気分転換にもつながります。
- お金の管理が出来ること →計画的にお金を管理して、必要な時に使える貯えを持つことが大切です。
- 相談できる相手を持つこと →出来れば複数人持つことをお薦めします。仕事の事だけでなく、プライベートなことも相談できる相手があれば、悩みを聞いてくれるだけでも心が軽くなります。また、アドバイスをもらうことで、解決のヒントも得られます。
・最後にもう一つだけ伝えておきたいことがあります。私は、高校、大学と部活でレスリングをしてきました。早稲田大学のレスリング部では、掃除を含めて部活の準備、片付け等を全て一番上の先輩に当たる4年生が行います。これは社会人1年生になる直前の生徒に社会に出て困らないように準備をさせるという理由で行われている習わしです。
グループワーク ※進行:池田博愛会職員8名
・生徒が4班に分かれて、博愛会の職員が各班に2名ついて、進行や質疑応答に対応。生徒たちは徐々に打ち解けて、仕事の話だけでなく、オフタイムのことまで、ざっくばらんな質問がなされ、職員の方が真摯に回答されていました。
出前授業の風景
(1)講演 ※(株)山全 経営企画室長 猪森淳氏
(2)講演:(社福)池田博愛会 法人本部事務局 副部長 岡千賀子氏
特別養護老人ホーム 永楽荘 主任 大西敏之氏