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お知らせ

活動報告 2022.02.01

池田高校 辻校にて出前授業を実施しました

「みよし地域しごと対策協議会」が主催する出前授業を次の通り実施しましたので、ご報告します。

 

1.日 時

  ・令和4年1月21日(金)

  ・①13:10~13:50 講演株)ビッグウィル 代表取締役 近藤 佑亮

    13:50~14:00 質疑応答         同  上

   ②14:10~14:50 講演 天真(株) 代表取締役 真鍋 和三郎氏

    14:50~15:00 質疑応答          同    上

 

2.場 所

  池田高校 辻校 講 堂

  

3.テーマ

  「企業概要」及び「企業が必要とする人材とは」

  

4.参加者

  生徒(第2学年:全員):52名 教諭:3名 

   事務局(東みよし町商工会:井後事務局長, 阿波池田商工会議所:川真田専務理事、竹内経営指導員)

                               3名

                             合計58

5.内 容

(1)講演 ※(株)ビッグウィル 代表取締役 近藤 佑亮

・私は、1986年生まれの35歳で、井川町井内出身。井川中学校、池田高校、神戸の大学に進みました。高校生のときは、将来のことについてはボヤっとしか考えておらず、大学生活の中で何かしたいことが見つかれば良いかなといった程度でした。

・当社の事業にも関係していることですが、日本の国土の3分の2に当たる67%が森林で、そのうち59%が人の手が入っていない自然林、残りの41%は、杉やヒノキを植樹している人工林です。

・僕が小さい頃は、メディアから「木を切ったらダメ!砂漠化が進むから!」とのメッセージが良く流れていました。しかし、人口林の場合は、間伐等の手入れをしないと日光が地面に届かなくなり、下草も生えず、保水力が低下して木の根がむき出しなることで、土砂崩れ等の災害の危険性が増します。人口林は、人の手が入ることで、強い木が育ち、CO2を吸収してくれ、持続可能な社会「SDGs」へと繋がるのです。

・木を適切に管理するためには、木を切らなければならない。これを有効活用しようとしているのが当社の製品で、折り曲げても大丈夫だし、インクも滲まない。

・当社は、東みよし町と三好市に3つの工場を有し、従業員は33人。地元で10年以上営んできたが、高校生には、あまり知られていないということで、もっともっと努力しなければという思いです。私は、昨年7月に社長に就任しましたが、大学時代は別の仕事を目指しており、内定も頂いていました。しかし、父親の営業に付いて行く中で、この製品は良いものだと感じたことと、父親からは直接継いでほしいとは言われていませんが、創業時の役員たちから勧められたこともあり、2007年から父親と一緒にこの事業に取り組むことになりました。

・当社の製品は、突板(大きなカンナのような機械)で木を薄くスライスした後、木のままで紙やビニールのような使い方ができる加工をしています。世界中どこにもない製品なので、展示会に出せば注目を集め、人だかりができました。しかし、製品が良くても、そこに需要が無ければモノは売れません。数か月経っても数年経っても売れず、人件費等のランニングコストは掛かるし、設備投資のお金が必要だが、お金が入ってこないという「産みの苦しみ」がありました。大学時代の友人からは、「親の会社を継げる人は気楽で良いよな。」と言われていましたが、僕から言わせると普通にサラリーマンになった方が気は楽だったと思います。数年間は本当に苦労をしました。

・販路拡大の為、片道700キロある東京まで車に乗り合わせて営業に行きました。出張経費を削るため、通行料が安くなる深夜に高速を走りました。サンプルを詰めた段ボールを抱えて、東京の建築会社を営業して回り、契約に至らなくても三顧の礼ではありませんが、足繁く通って商品説明を繰返し行い、情熱と誠意を伝える営業スタイルを貫いてきました。そのうち注文がとれるようになって、ある大手の会社との商談が成立すると口コミでどんどん顧客が広がり、銀行からも信頼されるようになりました。その時の経験から皆さんには、「継続は力なり」コツコツやれば結果は出るということを伝えたいです。また、インターネットで検索すれば大抵の情報は得られる便利な時代ではありますが、事前の情報収集を行う場合に活用することは有効ですが、ネットの情報がすべて本当とは限りませんので、実際に足を運んで、自分の目で見て、肌で感じて判断することをお勧めします。そうすることで、ちょっとした表情のニュアンスや対面だからこそ伝わる思いや熱量って、絶対にあると思うからです。

・いろいろと動いていると様々な経験もしますし、いろんな人との出会いもあります。良い出会いや悪い出会いもあります。その全てが貴重な財産となっています。人から紹介して貰ったり、仕事をさせて貰ったり、貴重なアドバイスを貰ったり、この製品の商品力もありますが、人とのご縁のお蔭で受注に繋がったと考えています。

・今では全国各地、海外でも当社の製品が使われています。本物の木を曲げて壁紙のように使える利便性からモンゴルのホールやスイートルームが一泊150万円もする、有名なリッツカールトンホテルのお部屋、「四国まんなか千年ものがたり列車」の内装にも使われています。その他、アーティストのグッズ制作や有名デザイナーとコラボして東京コレクションに木のドレスを出品したこともあります。

・営業活動中で学んだことは、業績が伸びず、「明日からどのように食べてこうか」と悩んでいた時代から支え続けてくれたスタッフ、人のご縁で結ばれたお客様、家族や親、友人達の支えがあっての今の自分があると考えています。人は決して、一人では生きていけないものです。周囲への感謝の気持ちを忘れないことが大切です。また、相手への気遣いや思いやり、特にお客様の立場になって何を求めているのかを考えることの大切さを学びました。さらに私の好きな名言に第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの「物事を成し遂げるためには十分な準備が必要である」という格言があります。僕もお客さんと向き合うときに十分な準備をしてから営業に行きました。それが現在の業績に繋がっています。

【本日の話のまとめ】

・皆さんに言いたいことは、①継続は力なり、②自分の目で見て感じて判断する、③相手の立場で考える、④物事を成し遂げるために十分な準備をする、⑤感謝の気持ちを忘れない これら全てが自分自身の人間力(魅力)に繋がると言うことです。

【質疑応答】

質問:会社が有名になり、今後の目標や取り組みは何ですか?

回答:短期的には、スタッフの給与を増やすなどの待遇改善をしてあげたい。将来的には、地域の雇用を増やしたい。そのために現在、海外の商圏を獲得する取り組みにも挑戦しています。そして、スタッフが誇りに思ってくれるような会社にしたいです。

質問2:高校時代に身に付けておくべきことがあれば、お教え下さい。

回答:大学時代に先輩から教わったのですが、気になったことや大事なことを常にメモを取る習慣を身に付けることです。メモしておけば、読み返すことで記憶にも残り、色んなことのヒントになります。良かったら実践してみてください。

 

(2)講演天真(株) 代表取締役 真鍋 和三郎氏

・当社は、1923年に創業しました。同じ年の大きな出来事としては、関東大震災があります。東日本大震災や熊本の大地震が東京で起こり、壊滅的な打撃を受けました。

・その後1945年の終戦の混乱期を経て、10年後には、高度経済成長が始まりました。この時期になると商売の在り方がアメリカ風になってきてスーパーマーケットや大型店舗ができるようになりました。醤油も1.8リットルの醤油の瓶から1リットルのペットボトルへと変わっていきました。当時日本では、醤油や味噌の製造会社が約3,000社あり、日本の食生活を支えていました。昭和35年頃から1リットルの醤油の値段が下がり始め、店の目玉商品となって客寄せに使われるようになりました。

・そのため、簡単にうどんのツユが出来たら便利なのにとのお得意先の声を聴き、うどんやそばのツユを製造して売るようになりました。また、岡山では、オカキに塗る醤油があれば良いのにというお客様の声を聴き、要望に応えるものを造るようになりました。昭和35年から45年までの間に新たな加工品の率がどんどん上がっていきました。また、コロッケや焼き肉、ハンバーグのソースは出来ないかとの要望に応え、昭和52~3年頃の話となりますがこれも製造することとし、喜んで貰いました。

・私は、昭和50年に入社しましたが、その頃には既に多くの加工品を製造しておりました。この頃からも著しく変わっていきました。

・今生徒の皆さんにお聴きすると、平成16年生まれとのこと。そのころになるとスーパー等のお惣菜コーナーは百花繚乱、色んなものがありました。平成25年頃になるとまた、違ったステージになっていきました。コンビニの総菜部門は一層強化され、すさまじく変化していきました。一人世帯や単身者が増え、メニューも豊富となり、私どもの商品も増え、醤油は全体の10%ちょっととなりました。

・今年度の4月、天真醤油(株)から醤油を取り、社名を天真(株)に改め、次のステージを目指すこととしました。

・お客様から「こんな利用ができないか。」、「こんなことで困っている。」とのお話を聞き、「出来ない」ではなく「どうしたら出来るのか」を考えやっていくのが我々の仕事だと考えています。出来ない理由を丹念に一つ一つ潰していくのが仕事です。技術開発、工場の者はどうしても保守的で、今やっているものから違うものをやるのは嫌がっていましたが、今は嫌がらず進んでやるようになっています。

・今一番新しい製品は、山口県長門の蒲鉾屋さんからの依頼で昨年10月から商品開発に取り掛かり、この1月20日に完成したものです。詳しくは言えないのですが、来月から販売が開始されます。ここは、5年位前に開拓したところで、継続して話を聴いておりました。

・今、生協やスーパー等が求めているのは、「安全・安心」です。当社は来年、創業100年を迎えますが「ISO22000」に更に要求事項を追加した食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」、世界標準となる安全基準の認定を目指していきたいと考えており、信頼ある当社の製品をアメリカやヨーロッパまで販路を拡大していきたいと思っています。

・これからの会社は、国連開発計画である「SDGs」:持続可能な開発目標を意識せざるを得ないと思います。

・お手元の資料のとおり1~17の目標がある。05の平等を実現しようというのは、中国による新疆ウイグル自治区の問題などとも関連します。16は平和と公正をすべての人にというのは、戦争が起きないようにするための基本がここに書いてあります。07のエネルギーをみんなにそしてクリーンには、世界が砂漠化するCO2の問題で、我々は重油を使ってボイラーを焚いていますが、果たして20年後にはボイラーが炊けるのか。次の世代はどうなるのか、皆薄々感じていると思いますが、どうすべきか。これからの社会はどうあるべきかの基盤となる考え方で、私共の基本となります。段ボールを例に挙げると1リットル12本入り、500ml20本入り、360ml20本入りの段ボールがそれぞれABCとすると三種類の段ボールが必要となります。Amazonで良く買い物をしますが、小さなものでも大きな詰め物を入れて送られてくる。可能な限り共有化を図っています。我々も見習うべきで、段ボール千枚の山が三種類で三つあったのが、共有すれば一つで済みます。

・世界の人口は今約75億人ですが、数十年後には、90億、100億人になる。そうなると食料危機が来ます。牛一頭を大きくするのに大量の大豆やトウモロコシが必要になります。近い将来、肉の細胞を培養した培養肉ができるようになると思います。大豆ミートは、既にできており、これを使ったハンバーグはもう売られています。日本の近海では魚が獲れない。養殖で魚をつくる。つくる漁業の時代に入っています。世界中でいろんな製品が出来てくると思います。日本近海は、天候が不順で風力発電には向いていないようですが、世界では自然エネルギーの主流になると思われます。小型原子力を活用することも検討されています。日本では太陽光発電が盛んに行われていますが、今までと違った発電方法が開発されるかもしれません。パリ協定では、CO2の排出を削減し、世界の平均気温を産業革命以前に比べて1.5℃の上昇に抑えることを掲げています。

・皆さんはNHK大河ドラマ「晴天を衝け」の渋沢栄一をご存知だと思いますが、ヨーロッパの産業革命は1760年から1830年に掛けて起こりました。産業革命が終わって幾分かした後の1867年の大政奉還の1年前に使節団としてヨーロッパを訪れた彼は、エレベータをはじめとする様々な文明やパリ万博を見て驚き、先進国と日本の差を感じたことだと思います。そして帰国後、富岡製糸工場や八幡製鉄所の設置に尽力しました。

・会社の使命とは、人々を幸せにして社会に貢献すること。お客さんが幸せになること、これは社員の幸せにも繋がります。サステナブル、持続可能な企業とはそうしたもの。そうでなければ社会から抹殺されます。

・「会社に入る」ということは、チームに入り、敵と戦い、チームの仲間と協力して対価を得ること。会社はどこかの敵と戦う。新入社員が起こしたミスで会社全体に損害を被らせることもあります。

・ここで、皆さんに魔法の言葉を教えます。会社に入ると分からないことが一杯出てくる、作業の手順をどうするのかも分からない。そこで先輩に「これはどうするのですか。」と聞く、「どうしてそのようなことをするのか」と聞く人は少ないですが、このように後輩から頼られると先輩も丁寧に教えてくれる。最初は苦しいと思っていても皆の心の窓が開けてくる。他にも魔法のことばがあります。「おはようございます。」、「お先に失礼します。」、「ありがとうございます。」があります。先輩や上司は頼られるとメロメロになって教えてくれます。

・また、これは皆さんでも同じです。先生に対し、皆さんが質問をすると丁寧に教えてくれる。質問をすることと「おはようございます。」、「お先に失礼します。」、「ありがとうございます。」とあいさつやお礼を言うことこれを使って皆さんが立派な社会人となられること、皆さんが活躍することを期待して講演を終わりにします。

【質疑応答】

質問:御社は99年の歴史を持つ会社ですが、醤油製造中心から時代の変化に合わせて色んな調味料製造へとチャレンジしていったとのこと。先が見えない時代にあって、時代の変化を的確に捉える「コツや術」について、あれば、生徒に教えて欲しい。

回答:時代というのは、急には変わらない。徐々に変わってくる。私の場合は、入社4~5年頃だったと思うが、叔父から「日経新聞を最初から最後のページまで読め」と言われ、それを実践した。5年から10年位経った頃、時代の変化を感じられるようになった。

今の時代ですので、スマホでニュースを見るのでも良いと思う。フェイクニュースもあるので、複数のニュースを毎日見続けると時代の変化が分かるようになると思います。

 

出前授業の風景

(1)講演 ※(株)ビッグウィル 代表取締役 近藤 佑亮

 (2)講演天真(株) 代表取締役 真鍋 和三郎氏

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