池田小学校出前授業実施結果
(徳島県教育委員会のキャリア教育支援による実施をサポート)
日時:令和4年9月29日(木)9:35~10:20、10:40~11:25
場所:池田小学校家庭科教室
テーマ:企業経営者からの仕事における体験談
参加者:生徒6学年2クラス、30人、31人 教諭4人
事務局 阿波池田商工会議所:坂本専務理事、竹内経営指導員 三好市:漆川主事 合計 68人
内容:醤油を製造するための原料や発酵過程のもろみの現物を見るとともに、発酵期間による味の違い等を感じた後、商品づくりにおいて気をつけることなどの話を講師が行った。
講師:天真株式会社 代表取締役 真鍋和三郎 氏(しょうゆもの知り博士)
講演内容
和食は、ユネスコの無形文化遺産に登録された。日本の食文化が健康的で、1000年超の歴史もあり、文化的にも優れていると世界に認められた結果である。和食文化を陰で支えているのは、伝統的な調味料の、醤油、みそ、日本酒、みりん、米酢で、全て発酵調味料である。大豆の国内生産量は6%、小麦の国内生産量は20%であり、ほとんどを輸入に頼っており、小麦はロシアとウクライナが生産量の約半数であり、戦争の影響により値上がりしている。世界情勢から品不足や価格の上昇が起きている。
グループに分かれ、醤油の原料である、煎り小麦、脱脂大豆、麹菌、塩、水の現物を見る。テキスト「しょうゆもの知り博士の出前授業」により醤油の製造工程を説明しながら、醤油はデンプンとタンパク質で出来ていること、麹菌による発酵で、仕込んだもろみの色や味が変化し、最後に醤油となるということを、味見もしながら学んだ。麹菌は日本にしか存在せず、日本の国を代表する「国菌」に認定されている。
生産、出荷する上で大事にしているのは、お客様の食卓まで安心・安全に届けることや、社会の変化に合わせ、SDGsの項目でもある地球環境の保全にも十分配慮している。例えば1日15トン程の水を使うが、使用済みの水はきれいに浄化している。醤油の搾りかすは、家畜の飼料に混ぜて使う。
今後も社会は高度化していく。AIは益々発達していく。50年前に大阪万博があった。模型のリニアモーターカーがあったが、今それは実現されようとしている。携帯電話も大きなものが非常に小さくなった。2025年の大阪万博にはどんなものが展示されているか、是非見に行って感じて欲しい。長い歴史のある食品も大事であり、大切にしてほしい。
何百万年も遺伝子が受け継がれ人があるが、私たちの体は、食べたもので出来ている。3か月で体は新しくつくられていると言える。食事はとても大事である。健康的な食を食べるようにしてほしい。
11月に酒粕を使ったお菓子を販売してみるとのことだが、商品づくりにおいて気をつけることは、酒粕はそのままではアルコールが入っているので、食べる相手方によって注意が必要である。商品とするためには、買う人の嗜好に合わせる。作り手側が美味しいと思っても、お客さんが美味しいと思わないと売れない。マーケティングと言って、お客さんに聞き、お客さんが必要とするものを作る。例えば自分の家族に聞いてみるというのもいい。食品を販売するにはいろいろと規制がある。法律で食品表示の方法も決まっている。産地表示も必要。安心・安全に注意する。容器にしても、異物が混入しないよう密封が必要である。 値段をいくらにするか、値ごろ感のある商品か、高級品か、収支が赤字では困る。
出前授業の様子